さっきのさびママについての記事を書いた後、夕方の巡回に行った。
巡回ってさびママが路地に来てるかどうかをチェックしに行くこと。
夕方は前の家の人がごはんをあげるのでだいたい5時過ぎると
猫たちがやってくるのだ。
降りて行って様子を見ると、子供達(既に大きく、避妊済みの子たち)と
一緒にさびママがいた。
あわてて自分の部屋までケージを取りに戻り、さびママたちの前で
ケージを組み立てているとさびママだけ急いで逃げていってしまった。
何とか鶏のモモ肉(ささみよりモモ肉の方が匂いが強いのでいいのだ)で
こちらにひきつけようとするが、肉だけさっとくわえて逃げていく。
他の子たちは堂々とケージに入って肉を食べてるというのに。
そのうち前の家のいつもごはんをあげている人が出てきて
「この子はカニカマもダイスキだから」とカニカマをケージに入れてくれた。
いつもごはんをくれる人が来て少し安心したのか
さびママはケージの中に体を半分だけいれ、カニカマをくわえたが
すぐにさっと外に出てしまう。
うむむ・・・。
6時近くなって買い物帰りの人、仕事帰りの人などで人通りが多くなり
さびママはいつも路地に来る時に使っている家と家との間の細い通路に
ひっこんでしまった。
やばい、今日もまた失敗か。
とにかくその通路の入り口にケージを突っ込み、さびママが戻ってくるのを待つ。
(うまい具合に通路の広さとケージの幅がほぼ一緒くらいの大きさなのだ。
ケージの扉の紐を引っ張った時に勢いでケージが回転して扉が
閉まらなくなる危険がなくなる)
しかし戻ってきてもやっぱりカニカマだけ咥えるとさっと逃げてしまう。
そのうちさびママの子供(通路のこちら側にいるのでケージには入れない)が
ケージの外側から手を突っ込んでカニカマを食べ始めた。
それを見て安心したのか、さびママの体が2/3ほどケージの中に入った。
チャンスは一度!思いっきりケージの扉についている紐を引っ張った。
成功!!!暴れるさびママ。
ただ闇雲に暴れるだけだった子供たちとは違って、さびママは
逃げる場所がわかっているらしく扉部分に手をかけて開けようとする。
逃がしてはならない。思いっきり紐をひっぱっりながら
ケージの扉の金具を留めようとするがうまくいかない。
この金具、最初から少しバカになってたのだ。
一箇所を手で押さえながらでないときちんと閉められない。
しかし手をケージにかけようものならあっという間にさびママの爪が飛んでくる。
あせればあせるほどうまくいかない。
とりあえず紐をケージのまわりにぐるぐるまきにしてから気持ちを落ち着ける。
そうしてさびママにやさしく「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と話しかける。
さびママの動きがとまったところで素早く施錠。
後はダンボールでまわりを囲い(暗くして猫を落ち着かせるため)、
さらに布をかけておく。
子供たちが心配してケージの周りに集まり鳴いている。
ごめんね、いじめてるんじゃないから・・・。
そしてKさんに電話。
Kさんの知合いに頼んで、安く避妊してくれ(¥13,000)、
抜糸も必要ないようにしてくれる獣医さんに連れて行くことになっているのだ。
7時すぎ、Kさんの車にさびママを乗せ後のことをお願いする。
Kさんが来て激しく暴れるさびママが私の「大丈夫だよ」という声には
反応して大人しくなるのが悲しかった。
あなたを騙して捕まえたヤツなのに・・・。
Kさんの車を見送った後、ほっとしたというよりは虚しい気持ちになった。
罪悪感も襲う。
これで避妊していない子はこの路地にいなくなった。
安心していいはずなのに。
でもママの子は全部いなくなり、さびママももう子供を作れない体になる。
私のしている事は正しいのだろうか。
間違ってはいないかもしれないけれど、決して正しくはない。
今現在の状況を考えると仕方ないのかもしれない。でも。
ごめんごめんごめん・・・。